公益財団法人日本英語検定協会第36回(2023年)英検研究助成調査部門 入選
人間総合科学学術院 小出 凱渡
学生?大学院生
小出 凱渡さん(人間総合科学学術院 人間総合科学研究群(博士前期課程) 教育学学位プログラム英語教育分野 2年次、指導教員:人間系 名畑目 真吾 助教)は、公益財団法人日本英語検定協会第36回(2023年)英検研究助成調査部門に入選し、2023年(狗万app足彩,狗万滚球5年)8月14日に入選証書の贈呈を受けました。
この研究助成金制度は、実用英語の一層の普及?発展と英語能力検定試験の質的向上を目的に1987年に設けられました。英語能力テスト及び英語教育に関する研究企画を広く募集し、優秀な企画に対して助成金を交付し、その結果を公表する制度です。この制度には、研究、実践、調査の3つの部門があり、小出さんが入選した「調査部門」は、小学校、中学校、高等学校の英語教育をより充実させ、効果的に推進するために必要な調査を報告するものです。
今回助成の対象となったのは「日本語母語英語学習者が使用する定型表現の分析-「話すこと (やりとり)」と「話すこと (発表)」の技能育成をめざして―」と題する研究です。本研究は、日本語を母語とする英語学習者がスピーキングにおいて使用する定型表現を大規模データ(コーパス)に基づいて調査し、英語母語話者と比較してその特徴を明らかにすることを目的としています。
定型表現は会話の半分を占めるとも言われ、コミュニケーションを円滑にするために重要な役割を果たしますが、英語学習者は必ずしも定型表現を多く使わない(使えない)という報告もあります。本研究は、発話のトピックや産出条件を統制したコーパスを利用し、定型表現の一種である語連鎖 (lexical bundles) を英語母語話者と学習者で厳密に比較することで、日本語を母語とする英語学習者の語連鎖使用の実態について解明することを目指します。
本研究は、コミュニケーション能力の向上を目指した現在の日本の英語教育のニーズを反映したトピックであることや、日本語を母語とする英語学習者を対象とした教材開発や指導に貢献する可能性が高く評価され、入選となりました。
2025年刊行の”STEP Bulletin”第36号において、研究成果の詳細が掲載されます。