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サッカーのスピードアップには状況判断を伴うトレーニングが効果的

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サッカー選手は試合中、常に状況判断が求められる中で、その動きを加速したり、様々な角度に方向転換したりすることが求められます。その中でも方向転換は、1試合当たり約700回も行われるとされ、競技力の高い選手は方向転換能力に優れていることが報告されています。このため、方向転換走は、選手の体力評価や能力評価のためのテスト運動として用いられてきました。


しかし、実際の現場では通常、状況判断を伴わない条件の下で、方向転換の評価やトレーニングがなされています。また、状況判断の有無が方向転換に及ぼす影響を検討した従来の研究は、主にスポーツ傷害予防の観点から行われ、検討された方向転換角度も60度以下と比較的小さいものでした。


本研究では、選手のパフォーマンスの観点から、状況判断の有無が、大きな方向転換動作(転換角度135度)に与える影響を検討しました。対象としたのは日本の大学トップレベルのサッカー選手で、状況判断の有無で選手の方向転換動作やスピードが大きく異なることが明らかになりました。

選手には全長13メートルのコースをできるだけ速く移動するよう指示しました。ゴール地点は左右2カ所あり、直進後に方向転換し、あらかじめ決めたゴールに向かう場合と、光刺激が出た側に向かう(状況判断する)場合を比較しました。


その結果、コースを走るタイムは状況判断を伴う場合に遅くなりました。また、状況判断を伴う場合は伴わない場合に比べ、方向転換直前の姿勢がより鉛直方向に維持され、肩や腰の向きは進入方向により正対していました。光刺激までの間、左右両方向に移動できる姿勢を保つためと考えられます。また、方向転換時の股関節の使い方も状況判断の有無で異なっていました。


本研究により、状況判断を伴う条件下での評価やトレーニングを適切に行うことで、効果的な方向転換能力の向上が見込めると考えられました。サッカーにおける方向転換動作やスピード向上を目的としたトレーニングの目標づくりや、評価、計画等に応用できると期待される成果です。


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研究代表者

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谷川 聡 准教授

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