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前庭系のバランス機能が良いほど海馬の容積が大きい?健常高齢者における調査?

研究イメージ画像 (Image by Maksym Fesenko/Shutterstock)

 アルツハイマー型認知症患者では、海馬が委縮することに加えバランス障害を呈しやすいことが知られています。また、海馬とこれを構成する下位領域の容積は、加齢や疾患、トレーニングの影響を受けることも明らかとなっています。しかし有酸素運動とダンストレーニングとでは、海馬の各下位領域に与える影響が部分ごとに異なっており、海馬のどの下位領域がバランス機能に関わっているかは、よく分かっていませんでした。


 そこで本研究では、健常高齢者を対象に、頭部MRI検査により海馬の容積を調べるとともに、姿勢安定度指標(IPS)を用いたバランス検査を行い、前庭機能(平衡感覚)や固有感覚(体の位置や動き)などを評価しました。


 その結果、視覚や固有感覚を妨げた条件でのみ、海馬全体の容積との間に正の相関が確認されました。部分容積との関連については、海馬分子層、歯状回顆粒細胞層および分子層、アンモン角領域CA3、CA4とバランス機能との間に正の相関を認めました。相関を示した部分は、前庭系の入力を強く受ける部位であり、バランス機能と海馬の容積の関係には、前庭系が関与していると考えられました。このことから、健常高齢者では、前庭系に関連するバランス機能が良いほど、海馬全体や特定の部分容積が大きいことが分かりました。


 また、本研究で用いたバランス指標が、海馬を介した前庭系機能や認知症におけるバランス障害の評価に有効である可能性が示唆されました。


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プレスリリース

研究代表者

狗万app足彩,狗万滚球医学医療系
新井 哲明 教授


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