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一度の激しい運動がその後の身体活動量と体温を下げ体重を増やしてしまう

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(Image by New Africa/Shutterstock)
運動は有力な減量方策の一つです。しかし、高強度運動は、その後の身体活動と体温の低下を招き、体重増加につながることが動物実験で明らかになりました。その要因が、激しい運動によるストレスホルモン「コルチコステロン」の概日リズムや身体活動と体温の同調性の乱れである可能性も分かりました。

運動は心身に多くの有益な効果をもたらしますが、減量効果は期待よりも低いことがあります。これは、運動後の身体活動の低下によるものと考えられますが、その仕組みは分かっていません。 ストレスホルモンとも呼ばれるコルチコステロンは、就寝時に低く、起床時に高まる分泌の概日リズムにより、心身の活動性を制御します。また、激しい運動を支援する一方で、うつなど心身の活動性が低下すると、この概日リズムが乱れます。そこで、一度の高強度運動でさえ、コルチコステロンの概日リズムを乱し、その後の身体活動や熱産生が低下して、減量効果を減らしてしまうという仮説を立てました。

この仮説を検証するために、マウスにおいて、高強度運動、中強度運動、安静の3群を設定し、運動前後の身体活動量と熱産生の指標となる深部体温を観察しました。その結果、高強度運動群で運動後の身体活動量と深部体温が低下し、食餌摂取量には変化がなかったにもかかわらず、体重の増加がみられました。また、身体活動量と体温の同調性が乱れており、起床時の血中コルチコステロン濃度が低いほど身体活動量が低いという正の相関も確認されました。

以上より、仮説の通り、一度の激しい運動がコルチコステロンの概日リズムを乱し、身体活動と体温の低下を招いて、体重を増加させることが明らかになりました。本研究は、運動自体のエネルギー消費量だけでなく、その後の活動性や概日リズムも考慮した運動強度の設定が、減量効果を引き出す上で重要であることを示す初めての成果です。

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プレスリリース

研究代表者

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松井 崇 助教
船橋 大介 研究員
  
東京都立大学大学院人間健康科学研究科
西島 壮 准教授

掲載論文

【題名】
Acute Vigorous Exercise Decreases Subsequent Non-Exercise Physical Activity and Body Temperature Linked to Weight Gain.
(一過性の激しい運動はその後の体重増加と関連して非運動性身体活動と体温を低下させる)
【掲載誌】
Medicine & Science in Sports & Exercise
【DOI】
10.1249/MSS.0000000000003487

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