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簡単な三つの体力テストから要介護化リスクを予測する評価尺度を開発

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(Image by SofikoS/Shutterstock)
 日本各地の保健センターなどでは、高齢者向けの簡単な体力テスト(片足立ち、椅子立ち上がりなど)が行われています。約1000人を対象にした追跡研究により、これらの簡単な体力テストの測定値を得点化することで、要介護化リスクが高い高齢者を予測する評価尺度を開発しました。

 高齢者における体力の低下は要介護状態に陥る(要介護化する)主な要因です。各自治体では、高齢者の体力維持?向上のための動機づけ支援や、自らが実施している介護予防プログラムの効果を評価するため、体力測定会が行われています。そのテスト項目として、開眼片足立ち時間、タイムドアップアンドゴー、5回椅子立ち上がり時間が全国的に取り入れられています。これらは高齢者の要介護化を予測する上で有効な体力テストですが、テストごとの評価にとどまり、日本人高齢者に適した総合的な評価法の提案はなされていませんでした。

 そこで本研究では、日本人高齢者を対象にした長期の追跡研究により、高齢者の要介護化を高い精度で予測可能な、複数のテスト結果を総合した評価尺度の作成を目指しました。研究対象となったのは2009~19年までに茨城県笠間市で実施した体力測定会に参加した65歳以上の高齢者で介護認定歴がない975人です。要介護化の予測に貢献する項目の組み合わせとして、開眼片足立ち時間、タイムドアップアンドゴー、5回椅子立ち上がり時間の三つの体力テストを統計的に選定しました。そして、これら三つのテストの測定値と年齢、性、ボディマス指標(BMI)を点数化して足し合わせる、要介護化を予測する評価尺度を開発しました(得点幅:0から118点)。予測精度を分析した結果、当評価尺度の合計点数が高い人ほど、追跡期間中(平均で8.6年)に要介護認定を受けた人が多く、特に41点以上の人は要介護化の高リスク者であることが分かりました。

 本研究から、日本各地で行われている開眼片足立ち時間、タイムドアップアンドゴー、5回椅子立ち上がり時間は、高齢者の要介護化を予測する上で有効な体力テストであり、これら三つを組み合わせて点数化すれば、各テストそれぞれで評価するよりも高い精度で要介護化リスクが高い高齢者を識別できることが分かりました。

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プレスリリース

研究代表者

狗万app足彩,狗万滚球体育系
大藏 倫博 教授

掲載論文

【題名】
Developing a battery of physical performance tests to predict functional disability in Japanese older adults: a longitudinal study from the Kasama study
(日本人高齢者における要介護化を予測する体力評価尺度の開発:かさまスタディによる追跡研究)
【掲載誌】
Geriatrics & Gerontology International
【DOI】
10.1111/ggi.15008

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