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T濾胞ヘルパー細胞リンパ腫のゲノム異常と予後の関係を解明

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(Image by Daily insights/Shutterstock)
 血液がんの一種であるT濾胞ヘルパー細胞リンパ腫について、ゲノム異常に基づく分子分類、および、RNAシーケンス解析による腫瘍微小環境分類を行いました。また、それぞれの分類ごとに、臨床的特徴や予後が異なることが明らかになりました。これにより、治療の最適化につながると期待されます。

 T濾胞ヘルパー細胞リンパ腫(TFHリンパ腫)は血液がんの一亜群ですが、標準的な治療が確立されておらず、一般に予後は不良です。特定の遺伝子変異が高頻度に認められるものの、これまでゲノム異常と臨床的特徴?予後の関連は明らかではありませんでした。

 本研究では、TFHリンパ腫94例とその類縁疾患である末梢性T細胞リンパ腫?非特定型症例35例を対象に全エクソームシーケンス解析を行い、頻度の高い35の遺伝子異常に基づいて3つの分子分類(C1-C3)を同定しました。C1とC3には、TFHリンパ腫で認識されてきたエピゲノム調節因子の遺伝子異常、およびRHOA G17V変異が共通して認められました。一方、C3は5番染色体増幅やIDH2変異を特徴とし、C1と比較して予後不良でした。C2は染色体異数性やTP53?CDKN2A異常を主体とし、主に末梢性T細胞リンパ腫?非特定型から構成されましたが、TFHリンパ腫の一部も含まれ、予後不良でした。さらにRNAシーケンス解析により腫瘍微小環境を3種(TME1-TME3)に分類しました。そのうちM2マクロファージが優位なTME2は予後不良で、多くはC2と重複していました。以上のことから、TFHリンパ腫における予後不良群とその特徴が明らかとなりました。

 本研究結果は、今後、TFHリンパ腫の治療最適化につながるとともに、新たな治療法開発の基盤となることが期待されます。

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プレスリリース

研究代表者

狗万app足彩,狗万滚球医学医療系
坂田(柳元) 麻実子 教授
末原 泰人 講師

掲載論文

【題名】
Discrete genetic subtypes and tumor microenvironment signatures correlate with peripheral T-cell lymphoma outcomes.
(末梢性T細胞リンパ腫におけるゲノム異常サブタイプと腫瘍微小環境シグネチャは臨床予後と関連する)
【掲載誌】
Leukemia
【DOI】
10.1038/s41375-025-02563-0

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