医療?健康

睡眠計測ゲームアプリ利用は睡眠指標の改善を促しBMI低下につながる

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(Image by STEKLO/Shutterstock)
 睡眠計測ゲームアプリと食事?体重管理アプリを同時に利用する2,063人のデータを解析しました。その結果、睡眠計測ゲームアプリ利用開始後の90日間で、総睡眠時間が平均0.8時間長くなっており、また睡眠潜時などの睡眠指標が改善した人は、BMIがより低下していることが明らかになりました。

 近年、健康に関する生活習慣を記録できる携帯アプリケーション(以下、アプリ)が開発されており、その中には、ゲーム要素を持たせて継続率や効果を高めるアプリも登場しています。

 本研究では、睡眠計測ゲームアプリ「Pokémon Sleep」および株式会社asken(あすけん)の食事?体重管理アプリ「あすけん」を90日間以上、同時に利用した2,063人を対象に、これらの利用データを解析し、総睡眠時間、睡眠潜時(寝床に入ってから寝つくまでの時間)、中途覚醒時間割合、寝床に入る時刻の4つの睡眠指標の変化を検討し、各指標が改善した人としない人のBMI(身長と体重から計算される肥満度の指標)の変化の違いを検証しました。

 その結果、睡眠計測ゲームアプリ利用開始後90日で、全体の平均総睡眠時間は5.5時間から6.3時間へと約0.8時間(約48分)増加しました。他の睡眠指標は平均値としては大きく変化しませんでしたが、個人別の変化を評価したところ、総睡眠時間は45.3%、睡眠潜時は18.1%、中途覚醒時間割合は24.4%、寝床に入る時刻は21.3%の人に改善が見られました。

 また、各睡眠指標の改善の有無と90日間のBMIの変化量の関係を調べたところ、総睡眠時間、睡眠潜時、寝床に入る時刻について、改善した人はしなかった人に比べて、BMIが大きく下がる傾向が見られ、特に睡眠潜時については統計学的な有意差が示されました。

 以上から、睡眠計測ゲームアプリの利用が睡眠指標の改善を促し、これに伴ってBMIの低下につながる可能性が示唆されました。

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プレスリリース

研究代表者

狗万app足彩,狗万滚球国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)
柳沢 正史 教授

掲載論文

【題名】
Temporal changes in sleep parameters and body mass index after using a sleep-tracking app with gamification
(ゲーム機能を持たせた睡眠計測アプリ使用後の睡眠指標と body mass index の経時的変化)
【掲載誌】
Sleep Health
【DOI】
10.1016/j.sleh.2025.03.001

関連リンク

国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)