夜間休日対応代行サービスとの連携で在宅医の仕事満足度や生活の質が改善
在宅医療機関の医師が民間サービスと連携して夜間?休日の対応や往診体制を構築すると、往診が提供しやすくなり、医師の仕事満足度や生活の質も向上することが分かりました。特に院長1人で24時間対応することが多い医療機関では、在宅医療の持続性を支える有効な連携モデルとなり得ます。
日本では高齢化により在宅医療のニーズが増えており、24時間体制で対応する診療所や病院が整備されてきました。しかし、多くの施設では在宅医療を担う医師が1人であることが多く、夜間?休日を含む対応の負担が大きいことが課題となっています。
本研究では、夜間?休日に電話相談や往診(患者の要請に応じ予定外に患者の自宅や施設を訪問して診療を行う)、救急搬送の要否の判断などを含む対応体制の構築において、民間サービス(ファストドクター DOCTOR(株))と連携している在宅医療機関の医師を対象にアンケートを実施し、連携のメリット?デメリットや連携前後での夜間?休日対応および医師の状況の変化を検証しました。その際には、質問紙の送付と回収を本研究チームが実施し、ファストドクターが回答内容を把握できないようにしました。
その結果、連携前との比較で、夜間?休日の往診の頻度と、緊急時の対応として「なるべく緊急往診する」とする医療機関の割合が増えていました。一方、「訪問看護師へ訪問を指示することが多い」「患者へ救急車の要請や救急対応病院の受診を指示することが多い」とする医療機関は減少していました。医師自身のメリットとして「夜間休日の往診に対する精神的?肉体的負担が減少した」「夜間?休日の予定が立てやすくなった」などの声が多く上げられました。また、医師の仕事満足度と生活の質(QOL)は連携後に有意に上昇し、疲労度も有意に改善していました。ただし、約半数の医師が「患者情報の共有に関わる負担が増えた」と回答し、情報共有に伴う事務的負担が課題として挙げられました。
本研究から、夜間?休日の対応を代行サービスと連携して担うことで、在宅医療の往診体制が強化され、医師の仕事への満足度や生活の質が高まる可能性が示されました。本研究は今後の在宅医療の提供体制を検討する上で重要な知見になると考えられます。一方で情報共有にかかる負担は今後の検証課題です。
PDF資料
プレスリリース研究代表者
狗万app足彩,狗万滚球医学医療系/ヘルスサービス開発研究センター田宮 菜奈子 教授
孫 瑜 特任講師
掲載論文
- 【題名】
-
Physician-reported outcomes associated with collaboration between home healthcare institutions and after-hours house-call services in Japan
(在宅医療を提供する医療機関における夜間?休日対応代行サービスとの連携による変化: 医師向け質問紙調査による報告) - 【掲載誌】
- BMC Primary Care
- 【DOI】
- 10.1186/s12875-025-03120-5
関連リンク
医学医療系ヘルスサービス開発研究センター