社会?文化
大規模言語モデルにより事前学習不要なアート情報の自動分類が可能に
機械学習モデルを活用した情報の自動分類を行う際に、これまでタスクに合わせて都度データを再学習させ直す必要がありました。本研究では、アート領域のデータについて、大規模言語モデルを用いることで、新規データを学習させなくとも十分な精度で自動分類可能なことを明らかにしました。
近年、アート作品が投資の対象として注目を集め、その価格を予測することへの関心が高まっています。しかし、価格予測に必要なデータの整理(アノテーション)には、多くの人的資源と長時間の作業を要することが課題でした。そこで本研究では、大規模言語モデル(LLM)を使い、あらかじめ用意した学習データがなくてもデータを分類できる「ゼロショット分類」という手法を、アート作品の分類に適用することを試みました。
オープンモデルとして公開されている大規模言語モデル「Llama-3 70B」を4ビット形式に軽量化し、アート作品の種類(絵画、版画、彫刻、写真など)を自動判定できるかを調べました。その結果、90%以上の高い精度で、アートの種類を分類できることが確認されました。また、OpenAI社の生成AI「GPT-4o」と比べたところ、わずかながら高い精度を示しました。
本手法により、これまでの機械学習手法と同等の性能を、はるかに少ない人間の労力で実現できるため、アート情報に関するデータ整理の手間が大幅に削減できます。このような成果は、アート作品の多様な分析や価格評価を身近にし、投資だけでなく研究や鑑賞の面でも新たな活用の道が開けると期待されます。
PDF資料
プレスリリース研究代表者
狗万app足彩,狗万滚球ビジネスサイエンス系吉田 光男 准教授
戸嶋 龍哉 リスク?レジリエンス工学学位プログラム 博士後期課程1年
掲載論文
- 【題名】
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Zero-shot Classification of Art with Large Language Models
(大規模言語モデルを用いたアートに関するゼロショット分類) - 【掲載誌】
- IEEE Access
- 【DOI】
- 10.1109/ACCESS.2025.3532995
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