テクノロジー?材料

燃料電池の不具合を回避する非破壊診断制御手法を開発

研究イメージ画像 (Image by Polina Krasnikova/Shutterstock)

 燃料電池は、発電時には二酸化炭素を発生せず、水しか出さないクリーンな発電技術として注目されています。しかし、この水によって発電性能が低下してしまうという問題があり、水が電池内部に滞留し発電の邪魔をする「フラッディング」と、水を除去しすぎて水素イオンが透過する高分子膜が乾燥してしまう「ドライアウト」という2つの相反する現象が生じます。このような不具合を検知するため、従来、多くの装置やセンサを用いたり、機械学習など大量のデータに基づいた手法が試みられてきました。本研究では、磁気センサでこれら2つの不具合を検知し、制御により回避する手法を開発しました。一定の電流で運転している燃料電池においては、これまで数十から百以上必要だったセンサ計測点を最低2つ、また、数分以上必要だった計算時間を1秒以内に短縮し、制御により不具合を回避可能にしました。


 本手法に関して実証実験を行い、その有効性が明らかになりました。今後、電流が変動する場合への本手法の応用を検討するとともに、本研究グループがすでに開発している理論式に基づいた診断制御手法との組み合わせによる、燃料電池の不具合現象の予防や燃料電池の内部のリアルタイムな可視化など、燃料電池の総合的な診断手法の確立を目指します。


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プレスリリース

研究代表者

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秋元 祐太朗 助教

小山工業高等専門学校
鈴木 真ノ介 教授

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