テクノロジー?材料
液体でできた微小なレーザー光源の開発に成功?大気中で安定かつ気流で形状を制御可能?
(Image by NotjungCG/Shutterstock)
山岸 洋 助教
山本 洋平 教授
九州大学大学院システム情報科学研究院
吉岡 宏晃 助教
電気や光を研究する分野では、曲げたり折ったりできる柔らかいデバイスが注目を集めています。従来、こういった柔らかいデバイスの素材には主にプラスチックが利用されてきましたが、その柔らかさには限界があります。本研究では究極の柔らかさを持つ素材として液体に着目し、100%液体でできたレーザー光源の開発に成功しました。
レーザーを構成する要素の一部に液体を利用したデバイスはすでに存在しています。しかしながら、レーザーを生み出す容器が硬い固体でできているため、柔らかさを備えることはできません。レーザーを生み出す容器も液体で作ろうとする試みはありましたが、大気中で安定に利用できる真球形状の微小な液滴の作製が難しく、実現には至っていませんでした。
本研究では、室温イオン液体を用い、超撥水性表面を持つ基板上で、液滴を形成する条件を最適化することで、これらの問題を解決しました。作製した微小な液滴は、基板上でほぼ真球の形状を維持できる上に、大気中でも蒸発が検知できないほど安定です。さらに、最も優れた有機マイクロ球体レーザーと同等の性能を示しました。液滴は極めて弱い力、例えば微風によって変形し、それに伴いレーザーの性能を調整できることも明らかにしました。インクジェットプリンターを利用すれば、多数の液滴からなるアレイの作製も可能です。本研究は安定な液体レーザーデバイスを構築するための基本的な材料戦略を提供するものであり、新たな柔らかい光デバイスの実現につながると期待できます。
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プレスリリース研究代表者
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山本 洋平 教授
九州大学大学院システム情報科学研究院
吉岡 宏晃 助教