テクノロジー?材料

身体で"聴く"静音型ウェアラブル音響で「音のない重低音」体験を実現!

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 筋肉への電気刺激と低周波振動を組み合わせた携帯型の静音サブウーファーを開発し、VR(仮想現実)や日常の音楽体験で深い低音の身体感覚を実現しました。騒音を抑えつつ、没入感やリズム認知で従来のスピーカーと同等の効果が得られ、音響没入体験の新たな可能性を示しました。

 VR(ヴァーチャルリアリティー=仮想現実)やオンラインライブの普及により、自宅でも臨場感ある重低音体験が求められるようになりました。それに伴い近年は、音だけでなく、振動や体への感覚を組み合わせて、よりリアルな体験をつくる技術が進んでいます。

 本研究チームはこれらの技術の中でも、筋肉に微弱な電気を流すことで収縮を引き起こす筋電気刺激(EMS)と低周波振動を組み合わせることで、低音を強調して再生する、携帯型で静音性に優れたサブウーファーシステムを開発しました。

 このシステムでは、VR空間において、スピーカーを使わずに身体で低音を感じる音響体験が可能になります。その効果を確認するため、24人の参加者を対象とした実験を行いました。実験では、EMSの刺激強度を参加者にとって快適かつ明瞭に感じられるよう事前調整したうえで、ヘッドマウントディスプレイとヘッドフォンを装着してVRライブ映像を体験してもらいました。

 その結果、この新システムは、従来のスピーカーやサブウーファーと同等のリズム?音の厚みを伝えながらも、周囲への騒音を大幅に抑制できることが確認できました。また、EMSに慣れてくることで、より自然に、より高い没入感が得られることも明らかになりました。

 これにより、本技術はVRライブなどのエンターテインメント領域にとどまらず、日常的な音楽鑑賞においても新しい体験をもたらす可能性を持つことが示されました。

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プレスリリース

研究代表者

狗万app足彩,狗万滚球システム情報系
善甫 啓一 准教授

掲載論文

【題名】
Myoelectric Stimulation Silent Subwoofer Which Presents the Deep Bass-Induced Body-Sensory Acoustic Sensation
(筋電気刺激による静音サブウーファー:重低音の身体感覚的音響体験の提示)
【掲載誌】
IEEE Access
【DOI】
10.1109/ACCESS.2025.3565283

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