テクノロジー?材料

磁気センサによる非破壊診断で純正電池を識別する手法を開発

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(Image by Zern Liew/Shutterstock)
 近年、純正でないリチウムイオン電池(互換バッテリー)による火災などの事故が問題になっていますが、外見上は見分けることが困難です。本研究では、電池の外装に磁気センサを取り付け、電池から発生する磁場を測定することで、個々の電池が純正であるかどうかを非破壊で識別する手法を開発しました。

 リチウムイオン電池は、スマートフォンやPC、電気自動車にも搭載されるなど、私たちの暮らしに欠かせないものとして普及しています。一方で、近年、純正でない電池、いわゆる互換バッテリーに交換されたことによって火災が起こるなどの事故が生じています。リチウムイオン電池は、その普及に伴い形状の規格化が進み、外観から純正かどうかを判断することが困難です。純正と識別するために、マークや認証の表示、QRコード、ICチップなどが用いられていますが、それらは模倣されることから、電気特性および内部構造に基づく識別方法が求められていました。

 本研究グループでは、これまでに、磁気センサを用いて燃料電池の不具合を発見する方法を開発しています。今回、これを応用し、同外郭のリチウムイオン電池の内部構造に起因した電流経路の違いに基づく識別システムを開発しました。この方法は、電池の外装に磁気センサを張り付け、充放電時の電流に起因した磁場を計測するもので、簡易的ではあるものの、単セルのみならず、複数電池を接続した場合の識別も可能です。

 今後は、実際の電池モジュール内や、内部構造も同一で劣化がある場合などについても、電池を識別できるシステムの確立を目指します。

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プレスリリース

研究代表者

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秋元 祐太朗 助教

掲載論文

【題名】
Evaluation of lithium-ion batteries with different structures using magnetic field measurement for onboard battery identification
(オンボード電池識別のための磁場を用いた内部構造の異なるリチウムイオン電池の評価)
【掲載誌】
Green Energy and Intelligent Transportation
【DOI】
10.1016/j.geits.2025.100257

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