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SFTスポーツアカデミー形成支援事業3大学連携ショーケースカンファレンスを開催
本学の「つくば国際スポーツアカデミー(Tsukuba International Academy for Sport Studies:以下,TIAS)」は,12月14日,狗万app足彩,狗万滚球文京校舎において,日本体育大学「コーチディベロッパーアカデミー(以下 NCDA)」,鹿屋体育大学「国際スポーツアカデミー(以下 NIFISA)」との共催で,「SFTスポーツアカデミー形成支援事業3大学連携ショーケースカンファレンス」を開催しました。
TIASは,日本政府が推進するスポーツ及びオリンピック?パラリンピックムーブメント普及のための「Sport for Tomorrow」プログラムの一環として開設し,日本初の国際スポーツアカデミーとして世界各国から学生を受け入れ,次世代の国際的なリーダーとなる人材を育成しています。また,NCDA では,コーチを育成する人材「コーチ育成者」の養成に取り組み,NIFISA では海外から若手コーチや若手研究者を受け入れ,スポーツ界において幅広く高度な国際貢献を行ってきました。
本カンファレンスでは,各アカデミーの教授,プログラム参加者及び修了者が登壇し,スポーツに関心の高い企業?団体,学生,各アカデミー関係者の総勢約 100 名が聴講しました。国際スポーツ人材育成に向けたムーブメントの醸成を目的とし,平成26年に開始された各アカデミーのこれまでの取り組みを紹介するとともに,活動から得られた知見の共有,そしてスポーツ人材育成をとりまく今後の課題についての白熱したディスカッションが行われました。
カンファレンスの開会に先立ち登壇された鈴木大地スポーツ庁長官は,Sport for Tomorrow プログラムについて説明する中で,国際スポーツ人材育成拠点の構築の重要性に触れ,「3大学のアカデミー事業の修了生の皆さんが,国際スポーツアカデミーで学んだことを活かしていただき,現役の学生や修了生のみなさんがお互いにネットワークを強力にしながら,世界のスポーツを良い方向に導いていくことを祈念しています」とメッセージを送りました。
基調講演に立った渡辺守成氏(国際体操連盟会長)は,人々の生活を豊かにするスポーツの可能性について力強く語りました。さらに,イギリスの産業革命の状況と現代とを比較し「100年後,200年後の未来に,高齢化が進む社会を救ったのはスポーツだった,といえるよう皆さんにイノベーターとして頑張ってほしい」とアカデミー関係者への期待を述べました。
「国際スポーツアカデミーの取り組みと課題」と題されたパネルディスカッションでは,各アカデミー長によって紹介されました。鈴木長官は,こうした大学の発表を受け各大学の事業を高く評価した上で,3大学のさらなる交流やプログラムの交換に対する期待を含ませながら,「日本で最も遅れているのはスポーツ人材の流動であり,今後,国内外や官民学の人材の 流動化が重要であり,このアカデミーの取り組みがその中心になってほしい」と今後の期待を述べました。
その後のパネルディスカッションでも,今後教育プログラムがレガシーとして残っていくためにどうあるべきかという議題について,竹下俊一教授(鹿屋体育大学)は「これまでの研究,教育の経験をより進化させていきながら,コーチングの部分ではNCDAと協働し,オリンピック?パラリンピック教育ではTIASとの連携を強め,国際貢献を続けていきたい」と述べました。
また伊藤雅充教授(日本体育大学)は「これまでは,それぞれの大学が自分たちの強みを発揮することで精一杯だったが, 今後の発展のためには各アカデミーの連携を深めることでより大きなムーブメントを作ることができ,それにより人材の育成が進められると期待しています」と述べました。
真田久教授(TIAS アカデミー長)は狗万app足彩,狗万滚球の元となる東京高等師範学校校長である嘉納治五郎の言葉を引用し,「今後の発展のためには文と武という縦糸と横糸が重要です。縦糸が日本と国際的スポーツ組織とのつながりで,横糸が国内のスポーツ関連組織や大学の連携だとすると,これらを紡いでいくための針が必要です。それが各プログラムに参加した学生であり,彼らが世界のスポーツ機関で活躍し社会に貢献することが最大のネットワーク構築につながると思います」と述べました。
当日は,3アカデミーのプログラム参加者や修了生によるパネルディスカッションや,関係者によるポスター報告も行われ,各アカデミー間の交流や連携も深められました。最後に閉会の挨拶に立った真田久教授は「教育を最も大事にしてきた日本として,人材育成を継続していくことは,世界に対する重要なミッションであると思います」と述べ,目前に迫った2020 年の東京オリンピック?パラリンピック競技大会とその先の未来にむけ,また,2020 年以降の教育のレガシーとして国際スポーツアカデミーの発展に向け決意を述べました。
(左:鈴木大地 スポーツ庁長官 ,中央:パネルディスカッション,右:渡辺守成 国際体操連盟会長)
(左から 竹下教授(鹿屋体育大学),渡辺会長,鈴木長官,真田教授(狗万app足彩,狗万滚球),伊藤教授(日本体育大学))